シングル「CRY NO MORE」インタビュー記事
- CRY NO MOREは、今までとちがう新しい展開で、今回はサザン・ソウルですね。ここまでタメのあるリズムの曲を歌うのは初めてだと思いますが、歌入れはどうでした?
美嘉:すごい楽しかったのを覚えていますよ。充実感があった。リズム&ブルースを初めて歌ったわけですけど、私の持ってる歌い方というんですか。うまさとかではなくて、気持ちの部分は全部出したかなっていう感じがするぐらい充実はしてました。
- 歌うときに何か気をつけたところはある?
美嘉:あんまりメロディを気にするなとディレクターに言われたんですよ。好きなように崩して歌っていいし、この曲はノリで歌うのがいちばんいいからって。だから、逆に"ここはこうしなきゃ"とか思わずに、なんにも気にしないで歌ってたんです。だから、録るたびに違う感じで歌ってたし。
- 曲の最後のフェイクも堂々としてましたね。今まで聴いたことのないくらい、ふくよかな声も出てたし。
美嘉:メロディとして決まってるフェイクは今までにやったことあるんですけど、初めて自分でフェイクをやったんです。それが進歩したなって自分で思った(笑)。しかも、すごい楽しかったんですよ。こういう曲が自分に合ってるっていうか、自分でいちばん楽しめるのはこういう曲なんだっていうのを、最後にフェイクを入れたあとで初めて気づいた。って、最後で気づいても遅いんだけど(笑)
- こういう曲だと楽しめて歌えるというのは?
美嘉:歌のリズムを決められてないのは楽しいんだなって思ったんです。今までは、リズムに対して"ここで入れる" "このメロディを乗せる"っていう決まりが必ずあったんですね。それがないから、ちゃんと収まれば、入るところも好きなように入ればいいし、そのほうが楽しいんだなって。「AMAZING GRACE('05)」(アルバムBEST収録)でなんとなく気づいてはいたんだけど、これで、"あ、こういうことだ"って。
- ベスト盤で「AMAZING GRACE('05)」をやった経験があるから、この曲が歌えたところもあると。
美嘉:それはありますね。結構大きい。あれがなかったらフェイクも恥ずかしくてできなかったと思うし。私、究極の恥ずかしがりやだから(笑)
- そして作詞家さんも初めての方になりますね。なんと康珍化さん(70年代から活動し続けている音楽の道で大きな力をもつ方)
美嘉:実は最初は私が詞を書こうとしてたんですよ。だけど書けなくて…。
- なぜ書けなかったのでしょうか?
美嘉:曲とアレンジが決まった段階で、そこに乗せる歌詞に関してディレクターやプロデューサーが明確なテーマを持ちすぎてたんですよ。そうすると、もう私が書く理由や意味がありませんからね。
- 詞について提案や要望があったわけですね。
美嘉:そうです。最初は、それを踏まえて私が書こうとしたんですけど、でもやっぱり私自身から出てくる言葉じゃないから上手くいかなくて、で、これは、ちゃんとした作詞家さんにお願いしたほうが絶対にいい詞になると思ったんです。
- そうですね、明確なテーマがあるなら、よりプロの人に依頼したほうがいいですよね。ちなみにそのテーマというのは?
美嘉:い〜っぱいあったんですよ!たとえば私のように人前に立って歌うような立場から見て、そういった行為で感じる束縛感とかを書いてほしい、とか。
- いきなり難問ですね。
美嘉:それでいて、ちゃんと希望みたいなものは見えてほしい、とか。でも恋愛のことでもいいんだよ、とか。それからエンディング・テーマになるになる「BLOOD+」っていうアニメのストーリーのことなんかも少し意識してみて、とか。いろいろなことを言われたんです。
- そうすると自分自身の気持ちが入るスペースがなくなっちゃう、と。
美嘉:ただでさえ、この曲は言葉が言葉が少ないですからね。それで、これは無理だなって思ってディレクターに"そんなに言うんなら君が書いたほうがいいよ!"って言っちゃったんです(笑)。
よかれと思ってアドバイスしてくれてるのはわかってるんですよ。でも、いろいろな人が、いろいろなことを言うから余計にわかんなくなっちゃって。そのアドバイスのせいでますます書けなくなる!とか思ったり(笑)。
- では実際に完成した歌詞を初めて目にされたときの印象は?
美嘉:さすがだな、と思いました。
- さっきのテーマが、どれもちゃんと詰め込まれてますもんね。
美嘉:うん。たくさんの言葉を持っていらっしゃるプロの方の仕事ですよね。私には書けない詞だと思います。
- ところでこの曲から中島美嘉の第4章が始まると思うんですが、テーマみたいなものはあるんですか?
美嘉:まだ、わかんないけど、美嘉が勝手に思ってるのは、曲調じゃないほうのSOUL。心というか魂がテーマになっていくのかなとは勝手に思ってる。っていうか、これから自分でそうしていく。今までは心はいちばん大事にしてきたけど、それをもっともっと押し出す。LOVEよりも広いでしょ、SOULって。だからもっと広がっていくんじゃないかな。
- アルバム「TRUE」「LOVE」「MUSIC」ときて、次のキーワードは"SOUL"だと。
美嘉:SOULだね。魂。心。ナチュラルに戻っていく感じというか、自然に戻る…今ままで結構つくった世界にいたと思うんですね。PVとか曲調とか、全部。それが人間に戻る感じ。
- ありのままを出していくとか、人間味を出していくっていうこと?
美嘉:うん。PVをみたらわかるけど、今回はビジュアルもすごいナチュラルなんですよ。まあ、作り込むのもすごい好きだから、どう変わるかわからないけど、気持ちは今までよりナチュラルでいれたらなと思う。
- その意識の変化は、原点回帰という感じだったり?
美嘉:そう、戻る感じはあったんです。ベスト盤のとき言ってたんだけど、"原点に戻る"って。ずーっとやってくと見えなくなっちゃうからね。元の自分が。戻りながら、進みながらやっていけば、自分がちゃんとやりたかったことを忘れずにいられんじゃないかなって。これからはもっと楽しいことになっていくはず。だから、楽しみにしててください。
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