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中島美嘉

楽曲「蜘蛛の糸」インタビュー記事

中島美嘉:蜘蛛に異常に興味をもちはじめて、標本を集めたりするようになった時に、詩に書くっていう方法もあるなと思って、この詩を書きました。曲はもうすごい大好き。五島(作曲者)さんらしくて、かっこいいですよね。さすがって思った。

―作詞をよく携帯でするって小耳に挟んだんですが、携帯に「蜘蛛の糸」って単語はなかなか打ち込まない単語だなーってびっくりしたんですけど。これはどんな風に生まれたんですか?

美嘉:作ったときは、私あんまり「よーし、書くぞ!」って書くタイプではないんで。ホントに書きたいときを待つから結構ギリギリ、全部ギリギリに書くんです。この時ももう寝る前にホントにもうすぐ寝てしまうって時に思いついちゃって、ガーって起きて書いたんです。

『蜘蛛の糸』って、蜘蛛はずっと好きなはずなんだけど、それを詩にしようなんて思ってもみなかった。『そういえばあるじゃん!』って思って、これだ!って思ったから書いた。

―蜘蛛に対する思い入れをきくのもどうかと思うんですけど…。

美嘉:何が良いってのはわからないんですけど、なんか"ありがたいものだ"ってちっちゃい頃からずっと教え込まれてきて。だからかな。

―朝蜘蛛は殺しちゃいけないっとか言いますよね〜。

美嘉:それとか、ま、蜘蛛自体殺したらだめだよ〜とかずーっと言われ続けてきたから、それで気になっているのかも

―これ童話の、芥川龍之介「蜘蛛の糸」を思いついちゃうんですけど。

美嘉:これはね〜もうずっと言われ続けてるんですけど、読んでないんですよね。芥川龍之介って言う名前はもちろん聞いたことあるんですけど、わかんなくて。でも多分私はどっちかって言うと「日本昔話」とかああいうので見たんだと思うんですよね、物語自体は。だから本はまだ読んでないんです。だからねぇ…今から読んでみます(笑)

―芥川龍之介作はエピソードとして知ってるだけなんですけども。この話に描かれていた"天国と地獄"みたいなはっきりした明暗が曲にでてるな〜って思いました。

美嘉:うん。地獄と天国がこの世には混在してるので、それがすごく…悲しいというか。もう、何でそうなるんだろう?ってみんなたぶん思ってるじゃないですか。それがね、悲しくて書いたんですけど。

―悲しい詩なんですね。

美嘉:悲しかったり、でもちょっと希望はあるんです、一応その中にも。

―だから、"強いけど弱い糸"なんですね。なるほど深い…

美嘉:あはは。

―とにかく、蜘蛛の糸の歌詞がすごいなと思って。〈掴んでは消える 蜘蛛の糸 選ばれし者が辿るの 争い合えば 切って落とされ〉っていう。ここには、悲しみや痛みにつつまれた、この世界と真正面から向き合ったときに、中島美嘉さんが放つことのできる、誠実な言葉が詰まっていると感じたんですね。かなり深く考えぬかれたんじゃないですか?

美嘉:これは最近みんなそういう曲を結構うたってらっしゃるんですけど、もういろんなことがあり過ぎて、世界とか日本もそうだし、自然で起こったことはもう、まぁ1番最初の原因というのは多分人間だと思うんだけど、

予想できなかったことはまた別だけど、戦争とか人間が起こしてることで、それを単純に考えて一人ひとりがきちんと相手を見るとか、思いやる…相手の気持ちになるっていう簡単なことができていないだけだと思うんですね。

そういうことが、自分に近い人たちから広がっていけばいいんじゃないかなっていう。まあ、みんな思っててできないことなんですけどね。それを書いたんです。

―そういうときに、たとえば「戦争はよくない!」って大きなことを歌うっていうんじゃなくて、やっぱり「一人ひとりの結びつきが大事なんだよ」っていうところに目が行くわけですよね、中島美嘉さんは。

美嘉:そうですね。私は、あんまり大きなことを言えるほど、いろんなことを知っていないんですよ。だから、たとえば戦争についても、いろいろ詳しく『どう思ってます?』って訳かれても、やっぱりわからないし…うん。だからそういうことを、軽々しく言えない。簡単に『やめましょうよ』って言ってやめられるもんなら、多分始まってはいないしね。それを簡単には言ってはいけないなっていうのはあって。だとしたら、自分に一番身近なことから始める。

―それを"蜘蛛の糸"っていう言葉で表したのは、どういう思いからだったんですか。

美嘉:昔から蜘蛛の糸が有り難いものっていう物語(芥川龍之介「蜘蛛の糸」)」日本昔話のなかでも、蜘蛛の糸が人を救ったり、でもまあ結局ダメになっちゃったっていう話ですけど、なんかそういうのが頭にあって、それでかな? あと、単純に私が蜘蛛が好きっていうのと。

―蜘蛛って見た目はグロテスクというか、好き嫌いが分かれるものじゃないですか。それを好きな中島さんっていいなあと思って。「蜘蛛ってかわいい」っていう感覚なんですか?

美嘉:かわいいとは思わない(笑)。どっちかっていうと私、ほんとうは虫はすごく苦手なんですけど、蜘蛛だけはなんか気になるんですよ。蓮の花とかバクとか、これまでにいろいろなものをマークにしてきてるんですけど、それも好きっていうか、"気になるもの"。

蜘蛛の糸

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